①受け取った側の贈与税・所得税について ②譲渡した側の贈与税・所得税についてと離婚時の夫婦間の財産の移転における税金について触れさせて頂いてきましたが、今回が最終回となります。
前回も少し触れていますが、それ以外での離婚時の財産移転において注意をしなければならないことについてとなります。内容としてはタイトルの通り、「納付義務」と「不相当な価格の不動産の譲渡」についてです。
納付義務
税金を納めるべき人は納税義務者と呼ばれます。家や車をお持ちの方には役所より納税義務者として
税金の納付書が送られてきますね。さて、今回、前々回、前回とお話をさせて頂きました離婚時の財産移転において受け取った側の妻は贈与税、所得税が課税されないことをお伝えしました。
然しながら、何等かの事情や作為的なことから贈与とみなされた場合、贈与税が発生する可能性があることも触れさせて頂きました。この場合、贈与税の納税義務者は受け取った側の妻が納税義務者であることは間違いないのですが、贈与者である夫も連帯して納付義務があるのです。
そのことから受贈者(受け取った側の妻)が贈与税を納税しない場合、贈与者(夫)が納付をしなければならないということになります。何等かの事情、状況により贈与税が発生する場合、贈与者としては、受贈者が贈与税を納税するまで見届ける必要があります。
不相当な贈与をしていない限りはこうした懸念は無用ですので当てはまるという方は少ないハズですが・・・・。
不相当な価格による不動産の譲渡(離婚時の元夫婦間における不動産の譲渡)
譲渡というと「売買」しているような印象を受けますが、前回の通り、売買に限らず、代物弁済や財産分与といったことで不動産(財産)の移転が行われる場合は少なくありません。
売買であれば、対価が伴いますのでややこしくはありませんが、元夫婦間や身内(親族間)での不動産の売買というものにおいては、今回の「不相当な価格による不動産の譲渡」は離婚に限らず、関係してくる事案と言えます。
今回も先に結論を申し上げると次の2つの場合が該当してきます。
①不動産の時価よりも本来の債務が低額の場合 低額譲渡(不動産の時価 ≧ 債務)
②不動産の時価よりも本来の債務が高額の場合 高額譲渡(不動産の価格 ≦ 債務)
①において、例えば、夫が妻に対して1,000万円の債務があるとします。この場合、妻へ3,000万円(相当)の不動産を譲渡した場合が該当します。譲渡して利益が出る場合、譲渡所得税が課税されることは前回のブログで触れているとおりです。この場合、時価3,000万円の不動産を1,000万円で譲渡したことになります。そのため、「低額譲渡」となります。
この場合、不動産の時価と債務との差額である2,000万円が夫から妻への贈与とみなされ、妻に贈与税が課税される可能性が出ます。
②においては、例えば夫が妻に対して3,000万円の債務があるのに妻へ1,000万円(相当)の不動産を譲渡して債務を消滅したような場合が該当します。3,000万円を1,000万円でチャラにしたということですね。この場合、不動産の時価と債務の差額の2,000万円(の債務の消滅)は妻から夫への債務免除とみなされ、夫に贈与税が課税される可能性があります。
①②も要は譲渡した財産(今回の場合は不動産)と債務が乖離している場合、利益の享受を受けた側に贈与税が課税される可能性が出てくるということです。もちろん、離婚時の慰謝料といった債務については確定した算出も難しいことであり、不動産の価格ということにおいても適切な時価相当額というものを確定的に決定できるということが難しい性質のものでもあります。そうしたこともあり、ブログ中の表現として「課税される可能性がある」ということで書かせていただいております。「これは大丈夫なのだろうか?」と思われたら、税務署へ事前に十分な確認をされてからでも何等、支障がないことだと思います。
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