今回は、離婚に際して完璧な「公正証書」を作成したにもかかわらず、銀行で門前払いを受けてしまった神奈川県のT様(38歳・看護師)の事例をご紹介します。
離婚をするにあたり、一番揉めるのは「お金」と「家」のことだと聞いていたT様。 だからこそ、弁護士のアドバイスを受けながら、しっかりと時間をかけて話し合いを行いました。
「家の名義は妻(T様)に変更する」 「住宅ローンの残債務は、妻が責任を持って引き受ける(借り換える)」
この内容で合意し、公証役場で「離婚給付契約公正証書」を作成。「これで法的にも守られたし、あとは銀行で手続きするだけ」と安心しきっていました。
しかし、その「最強の書類」を持って銀行へ行ったT様を待っていたのは、予想外の冷たい対応でした。 もしあなたが今、手元にある離婚協議書を頼りに銀行へ行こうとしているなら、その前にこの記事を読んでください。銀行には銀行の「ルール」があるのです。
もくじ
離婚成立の翌週、T様は意気揚々と銀行のローンプラザを訪れました。 「夫と離婚しまして、この公正証書の通り、家の名義とローンを私に変えたいのですが」
担当者に公正証書を提示しましたが、返ってきた言葉は耳を疑うものでした。
「申し訳ありませんが、こちらの公正証書はご夫婦間の取り決めであって、当行との契約を変更するものではありません」 「この書類があるからといって、旦那様の名義を奥様に変更することはできません」
T様は混乱しました。 「法的に有効な書類なんですよね? なぜ銀行は従ってくれないんですか?」
実はここには、多くの方が陥る大きな落とし穴があります。 「公正証書(離婚協議書)」は、あくまで「夫と妻の約束」に過ぎません。 一方で、「住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)」は、「夫と銀行の契約」です。
銀行からすれば、「あなたがた夫婦で何を約束しようと勝手ですが、私たちが貸したお金(ローン契約)の内容を、私たちの許可なく勝手に変えないでください」というのが理屈なのです。
たとえ公正証書に「ローンは妻が払う」と書いてあっても、銀行が承認しなければ、債務者は夫のまま。 T様はこの現実を突きつけられ、「家を追い出されるかもしれない」という恐怖に襲われました。
途方に暮れたT様がインターネットで検索し、弊社のサイトへ辿り着いたのはその翌日のことでした。 事情を聞いた私たちは、すぐにこうお伝えしました。
「T様、公正証書は『権利の確認』には役立ちますが、銀行審査の申込書にはなりません。銀行を動かすには、別の書類が必要です」
その書類とは、「不動産売買契約書」と「重要事項説明書」です。
銀行のシステム上、「離婚による財産分与での名義変更」というメニューに対応している商品はほとんどありません。 しかし、「中古住宅の売買」であれば、融資対象であり、内容を確認のうえですが、審査の受付を検討してくれます。
つまり、手続きの形式を以下のように変換する必要があるのです。
× 離婚協議: 夫から妻へ、財産分与として家を渡す。
○ 不動産取引: 元夫(売主)から、元妻(買主)へ、家を売却する。
この「取引」を証明するために必要なのが、不動産会社(宅建業者)が作成した正規の「売買契約書」です。 これがあって初めて、銀行は「なるほど、これは住宅購入の資金調達ですね」と審査のテーブルに乗せてくれるのです。※ブログ上、簡潔に書いていますが、実務上、容易に審査や受付が可能ということではございません。
仕組みを理解されたT様は、すぐに弊社へサポートをご依頼されました。 私たちは以下の手順で手続きを進めました。
売買契約書の作成 公正証書の内容をベースにしつつ、銀行審査に通りやすい形式で、T様と元夫様の間で交わす「不動産売買契約書」を作成しました。
銀行への打診(プレゼン) 「離婚案件だから」と断られないよう、提携している地域の金融機関に対し、「正規の売買案件」として事前相談を行いました。
審査申し込み T様は看護師として安定した収入があったため、作成した契約書を添付して審査へ。
結果は、無事に「承認」。 銀行から「この売買契約書に基づき、購入資金(元夫のローン返済資金)を融資します」という回答が得られました。
決済の日、銀行で手続きを終えたT様は、新しい権利証(登記識別情報通知)を手に笑顔を見せてくださいました。 「あんなに頑なだった銀行が、プロに契約書を作ってもらっただけでこんなにスムーズに対応してくれるなんて驚きです。これでやっと、公正証書の約束を実現できました」
T様の場合、公正証書が無駄になったわけではありません。公正証書があったからこそ、元夫様との合意形成はスムーズでした。 しかし、「最後の仕上げ(銀行手続き)」には、別の鍵(売買契約書)が必要だったということです。
離婚協議書や公正証書を作ったからといって、自動的に家の名義が変わるわけではありません。 銀行ローンが残っている家の場合、金融機関を納得させるための「不動産実務」が不可欠です。
銀行は「夫婦の約束(公正証書)」には拘束されない。
融資を引き出すには「売買契約書」という形式が必要。
個人で作った契約書ではなく、宅建業者の記名押印がある正規のものが必要。
「公正証書を作ったのに手続きが進まない」 「銀行で相手にされなかった」
そんな方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。 お手元の公正証書の内容を実現させるために必要な「銀行向けの手続き」を、私たちがワンストップでサポートいたします。
公正証書の限界と活用法についてはこちら。
・【公正証書は絶対?】「夫がローンを払う」と約束したのに滞納…銀行に通用しない理由
・行政書士が作った「公正証書」だけでは銀行は動かない?住宅ローン審査に必要な「あと1枚」の重要書類とは
ご自身で直接銀行の窓口に行き、「離婚するので夫から妻へ名義変更したい」と相談して断られた履歴(否決履歴)が残ってしまうと、その後私たちがサポートに入っても、覆すのが非常に難しくなります。
「まずは自分で聞いてみよう」と動く前に、必ず弊社にご相談ください。 私たちは「どの銀行なら審査に通る可能性があるか」を知っていますし、銀行が納得する「契約書」を用意することができます。
ご相談は無料です。大切なお子様と、今の家で笑って暮らす未来のために、まずは一歩踏み出してください。
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