今回は、「離婚届は提出したものの、ペアローンで買った家のため、元夫が『俺にも住む権利がある』と言って出て行ってくれない。顔を合わせるたびにストレスで、もう限界…」という深刻な状況でご相談に来られた、神奈川県のA様（40代女性）の解決事例をご紹介します。

離婚における最大のストレスの一つが、この「離婚後の同居」です。特にペアローンの場合、お互いに「債務者」であり「所有者」であるため、法的に追い出すことが難しく、問題が泥沼化しやすい傾向にあります。

しかし、ご安心ください。A様のように複雑に絡み合った状況でも、「経済的な精算（ローンの問題）」と「物理的な退去（住まいの問題）」をセットで解決する方法は必ずあります。

A様がどのようにして元夫との関係を断ち切り、お子様との平穏な生活を手に入れたのか、その解決プロセスを解説します。

相談者A様の状況と、終わらない同居生活の苦悩

まずは、ご相談いただいた当時のA様の状況を整理します。

基本データ

• 依頼者: A様（40代・会社員）、長女（中学生）

• 相手方: 元夫（40代・会社員）

• 状況: 半年前に協議離婚が成立。しかし、元夫が新居を探そうとせず、同居（家庭内別居）が続いている。

• 住宅ローンの状況:

  • 購入時の価格：4,500万円

  • 現在のローン残高：3,200万円

  • 契約形態：ペアローン（元夫 1,600万円／A様 1,600万円）

  • 持分割合：各1/2

直面していたトラブル：「出ていくなら金をくれ」

A様は離婚協議の際、「子供の環境を変えたくないので、私と子供がこの家に住み続けたい。あなたのローン分は私が引き受けるから出て行ってほしい」と伝えていました。

しかし、元夫の態度は頑なでした。

元夫の主張： 「俺だってローンを払ってきたし、名義も半分持っている。ここを出ていくなら、次のアパートの初期費用や引っ越し代として、まとまった金（解決金）をよこせ。それができないなら、俺にはここに住む権利がある」

A様には、元夫のローンを引き受ける（借り換える）審査能力はありましたが、さらに数百万円の現金を「解決金」として用意する余裕はありませんでした。

話し合いは平行線となり、毎日顔を合わせるストレスで、A様は心身ともに疲弊しきっていました。

なぜ「離婚後の同居」は解消が難しいのか？

ペアローンの場合、双方が家の「共同所有者」です。たとえ離婚して他人になったとしても、法的には「自分の持ち家に住んでいる状態」なので、警察を呼んで追い出すといったことはできません。

相手が自発的に出ていかない限り、この奇妙でストレスフルな同居生活は終わりません。

解決するためには、感情論ではなく、相手が「退去することにメリットを感じる（または納得せざるを得ない）条件」を提示し、冷静に交渉をまとめる必要があります。当事者同士では、これが非常に難しいのです。

【解決策】ペアローン解消と退去を同時に実現したプロセス

A様から相談を受けた私たちは、第三者（専門家）として間に入り、感情を排した事務的な手続きとして交渉を進めることを提案しました。

ステップ1：A様の「単独名義化」の準備を整える

まず大前提として、A様が家を守るためには、元夫のローンと名義をすべて引き取る必要があります。 私たちは提携している金融機関と連携し、A様の収入で「元夫の残債1,600万円＋自身の残債1,600万円＝合計3,200万円」を一本化して借り換えるための事前審査を通しました。

これにより「いつでも元夫の名義を外せる準備は整った」という強いカードを手に入れました。

ステップ2：元夫への現実的な提案（交渉）

次に、元夫に対して以下の提案を行いました。

1. ローンの完全免責: あなたのローン債務（1,600万円）はA様がすべて引き受けるので、あなたは借金から解放される。

2. 解決金の提示: 退去費用として、A様が捻出できるギリギリの金額（数十万円）を「解決金」として支払う。

3. 期限の設定: 上記条件での合意期限と、退去期限を明確に設定する。

ポイントは、元夫が要求していた数百万円には届かないものの、「借金がゼロになるメリット」と「現実的な現金給付」をセットで提示したことです。

また、「この条件を飲まないのであれば、家を売却して精算するしかない（そうなれば住む場所も失い、売却損が出る可能性もある）」という現実的なデメリットも、冷静に伝えました。

ステップ3：合意、そして退去へ

専門家が間に入り、法的・経済的なメリットとデメリットを理路整然と説明したことで、元夫もようやく状況を理解し、渋々ながらも条件に合意しました。

• 公正証書の作成: 「離婚給付契約公正証書」を作成し、解決金の支払い、名義変更への協力、そして退去期日を法的な文書として残しました。

• 実行: 約束の期日までに元夫は荷物をまとめて退去。その直後に住宅ローンの借り換えと名義変更登記を実行しました。

結果：母子での平穏な新生活がスタート

すべての手続きが完了し、家の名義は100%A様のものになりました。

A様からの安堵の声

「毎日帰宅するたびに元夫の靴があるのを見て、動悸がするほど追い詰められていました。先生方が間に入って、あんなに頑固だった元夫を説得してくれたおかげで、ようやく安心して眠れるようになりました。本当に救われました。」

A様とお嬢様は、慣れ親しんだ環境を変えることなく、精神的な平穏を取り戻すことができました。

まとめ：同居のストレスを一人で抱え込まないで

離婚後も同居が続いている状況は、精神的に非常に危険な状態です。時間が経てば解決するものではなく、むしろ関係が悪化し、トラブルが深刻化するケースが後を絶ちません。

ペアローンの解消と相手の退去は、当事者同士の話し合いでは限界があります。

• 元夫（元妻）が家から出て行ってくれない

• 退去の条件として法外な金銭を要求されている

• 相手と直接話すのが怖くて交渉が進まない

このようなお悩みをお持ちの方は、一日も早く「離婚時の家の名義変更サポートセンター」にご相談ください。 私たちは不動産と金融のプロとして、あなたの代理人となり、冷静かつ現実的な解決策を相手に提示し、交渉をまとめます。

あなたの平穏な生活を取り戻すために、私たちが全力でサポートします。まずは無料相談で現状をお聞かせください。

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