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【解決事例】自営業の夫、節税で「所得が低い」状態…確定申告書を精査し、離婚時の家の名義変更・借り換え審査を通過させた方法

  • 2025年12月27日

今回は、離婚に伴う家の名義変更において、多くの自営業・個人事業主の方が直面する「節税の壁」に悩まれていた、大阪府のT様(40代・自営業)の事例をご紹介します。

自営業やフリーランスの方は、会社員とは異なり、住宅ローンの審査基準が厳しくなりがちです。特に離婚時の名義変更(借り換え)となると、単独名義での支払い能力を厳しく問われます。

T様もまた、事業を円滑にするための「節税対策」が裏目に出て、どの銀行からも門前払いをされてしまったお一人でした。

しかし、「決算書上の数字」と「実際の返済能力」は違います。

当社がT様の確定申告書を詳細に分析し、銀行に対して適切なプレゼンテーションを行った結果、見事に審査を通過し、元奥様の連帯保証人を外して家を守ることができました。

今回は、なぜ自営業者の名義変更が難しいのか、そしてT様はどうやってその壁を乗り越えたのか、その全貌を解説します。

目次

  1. 【相談内容】節税対策で所得を圧縮…「年収200万円台」扱いで審査に通らない
  2. なぜ自営業(個人事業主)の住宅ローン審査は厳しいのか?
  3. 【解決の糸口】銀行が見ているのは「課税所得」だけではない
  4. 【実行した施策】T様の「実質所得」を銀行に証明した3つのステップ
    • ①減価償却費の「足し戻し」を主張
    • ②一過性の経費と生活費の混在を整理
    • ③自営業に理解のある金融機関の選定
  5. 【結果】希望額での借り換えに成功し、元妻との関係も清算完了
  6. まとめ:自営業でも諦めないで。確定申告書の「見せ方」で結果は変わる

1. 【相談内容】節税対策で所得を圧縮…「年収200万円台」扱いで審査に通らない

大阪府でWEB関連の事業を営むT様。 離婚協議はすでに大詰めを迎えており、最大の争点は「ペアローンで購入した自宅」でした。

妻:「私は家を出ていくから、ローンの連帯保証人から外してほしい。それが無理なら家を売却して精算したい」

夫(T様):「自宅は事務所も兼ねているため、手放すわけにはいかない。自分が一人でローンを背負い、住み続けたい」

ご夫婦の利害は、「夫が単独名義でローンを借り換え、妻を保証人から外す」という一点で一致していました。

しかし、ここに大きな壁が立ちはだかります。

T様の事業は売上自体は順調でしたが、税金対策のために経費を多く計上しており、確定申告書上の「所得金額(課税される利益)」は200万円台まで圧縮されていました。

T様が自身で相談に行ったメガバンクやネット銀行の回答は、冷酷なものでした。 「申告所得が300万円未満のため、審査のテーブルに乗りません」 「直近3期分の平均所得で見ると、希望借入額には届きません」

「実際の生活はもっと余裕があるのに、書類上の数字だけで判断されてしまう…。このままでは家を売るしかなく、仕事場も失ってしまう」 そうして当社へ駆け込まれました。

2. なぜ自営業(個人事業主)の住宅ローン審査は厳しいのか?

具体的な解決策のお話をする前に、なぜ自営業者がこれほどまでに審査で苦戦するのか、銀行側の視点を知っておく必要があります。

「売上」ではなく「所得」が見られる

会社員の場合、審査の基準になるのは「額面年収(税引き前)」です。 一方、自営業者の場合、審査基準になるのは「売上」ではなく、経費を引いた後の「所得金額」です。

ここにジレンマがあります。

  • 税務署に対して: 税金を安くしたいから、経費を積んで所得を低く見せたい。
  • 銀行に対して: お金を借りたいから、所得を高く見せたい。

T様のように優秀な経営者ほど、合法的な範囲で賢く節税を行っています。しかし、その「賢い節税」が、住宅ローン審査においては「返済能力の低さ」としてマイナス評価されてしまうのです。

安定性の欠如

会社員は「毎月決まった給与」が保証されていますが、自営業は翌月の売上が保証されていません。そのため、銀行は過去3期(3年)分の決算書を求め、その中で「最も低い時期」を基準に審査することも少なくありません。

3. 【解決の糸口】銀行が見ているのは「課税所得」だけではない

では、節税をしている自営業者は、絶対にローンが組めないのでしょうか? 答えはNOです。

審査のプロや、事業性融資に強い銀行担当者は、決算書の表面的な数字の裏にある「実質的なキャッシュフロー(手元に残るお金)」を見てくれます。

T様の事例において、私たちは「所得200万円」という数字をそのまま審査に出すのではなく、「実際の返済能力は年収500万円〜600万円相当の会社員と同等である」ことを証明する資料を作成し、交渉に臨みました。

4. 【実行した施策】T様の「実質所得」を銀行に証明した3つのステップ

ここからは、実際に私たちがT様のサポートで行った具体的な施策をご紹介します。

①減価償却費の「足し戻し」を主張

確定申告書には「減価償却費」という項目があります。 これは、車や設備などの購入費用を数年に分けて経費計上する会計上のルールです。

重要なのは、「減価償却費は経費として計上されているが、その年にお金が出て行っているわけではない」という点です。

T様は仕事用の機材や車両を経費にしており、年間100万円近い減価償却費がありました。 私たちは銀行に対し、「所得金額 + 減価償却費 = 実質的な返済原資」であると主張し、評価額の底上げを行いました。

②一過性の経費と生活費の混在を整理

次に、経費の内訳「青色申告決算書」を精査しました。 T様の申告書には、以下のような経費が含まれていました。

  • 一過性の大型経費: オフィス改装費など、来年以降は発生しない特別な出費。
  • 地代家賃: 自宅兼事務所のため、家賃の一部を経費計上している(持ち家になればローン返済に充てられる部分)。

これらを、「事業継続に必須の恒常的なコスト」と「実は自由に使えるお金(利益)」に色分けして説明資料を作成しました。 「この経費は節税のために計上しているが、住宅ローンの返済が必要になれば、生活費に回せる余裕資金である」ことを論理的に説明したのです。

③自営業に理解のある金融機関の選定

これが最も重要なポイントです。 どれほど立派な資料を作っても、「マニュアル審査しかしない銀行」では意味がありません。

AI審査やスコアリング審査を導入している銀行では、入力された「所得金額」だけで自動的に足切りを行います。T様が最初に断られたのはこのためです。

私たちは、T様のエリア(大阪府)で、個人の事情や事業内容を「人間が目で見て審査してくれる」金融機関を選定しました。 特に今回は、保証会社の審査基準を熟知している金融機関へ持ち込むことで、勝率を高めました。

5. 【結果】希望額での借り換えに成功し、元妻との関係も清算完了

審査の結果、T様は無事に希望額満額での住宅ローン借り換え承認を得ることができました。

  • ローン名義: 夫婦ペアローン → T様単独名義へ
  • 家の名義: 共有名義 → T様単独名義へ
  • 元妻の状況: 連帯保証人を外れ、債務から完全に解放

金利こそ、ネット銀行の超低金利と比べれば若干高くはなりましたが、それでも「家を守れた」「事業拠点を失わずに済んだ」「元妻と綺麗に別れられた」という利益は計り知れません。

T様からは、 「自分の決算書をあそこまで深く分析してもらったのは初めてです。税理士さんは『税金を減らす』ことしか考えてくれませんでしたが、御社は『家を守る』ために数字を見てくれました」 という嬉しいお言葉をいただきました。

6. まとめ:自営業でも諦めないで。確定申告書の「見せ方」で結果は変わる

自営業や個人事業主の方が離婚に伴う家の名義変更をする際、最大の敵は「ご自身の確定申告書」かもしれません。

しかし、今回のT様の事例のように、表面上の所得が低くても、以下のような要素があれば審査に通る可能性は十分にあります。

  • 減価償却費が多い
  • 一過性の経費が多い
  • 事業自体は安定している(売上の波が小さい)
  • 過去に税金の滞納がない

「銀行に断られたから無理だ」と諦めて、大切な家を安値で手放す必要はありません。

当センターでは、不動産と金融のプロが、あなたの決算書・確定申告書を「銀行審査」の視点で分析し、最適な金融機関とのマッチングを行います。

他社で断られた方、自分の申告内容で審査に通るか不安な方は、まずは一度ご相談ください。あなたの「実質の稼ぐ力」を証明し、新しい生活への第一歩をサポートします。

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