今回は、「離婚して私が今の家に住み続けたいけれど、住宅ローンの連帯保証人が『夫のお父さん(義父)』になっている。名義変更を切り出したら義実家と大揉めするのではないかと怖くて動けない…」というご相談をいただいた、埼玉県・B様(30代女性)の解決事例をご紹介します。
離婚時の住宅ローン問題において、「親族(特に義理の親)が連帯保証人になっているケース」**は、最もデリケートで難易度が高い案件の一つです。
「俺が息子のために保証人になった家だぞ!嫁のお前が住むなんて筋が通らない!」 「勝手なことをして、もし返済が滞ったら俺の老後資金はどうなるんだ!」
このように感情的な対立が起きやすく、当事者同士での話し合いは困難を極めます。
しかし、B様の事例では、ある「絶対的なメリット」を義父に提示することで、驚くほどスムーズに了承を得ることができました。その交渉の全貌と手続きを解説します。
相談者B様の状況と、義実家への懸念
まずは、ご相談時のB様の状況を整理します。
基本データ
依頼者: B様(30代・パート勤務/正社員登用予定)、子供2人(小学生)
相手方: 夫(30代・会社員)
連帯保証人: 義父(60代・年金生活+再雇用)
住宅ローンの状況:
購入時の価格:3,500万円
現在のローン残高:2,500万円
契約形態:主債務者=夫、連帯保証人=義父
直面していた壁
B様は、お子様の転校を避けるために今の家に住み続けることを希望していました。夫も「ローンさえ何とかしてくれるなら、家は譲る」と同意していました。
しかし、最大の問題は「義父」の存在でした。 義父は昔気質の頑固な性格で、離婚自体にも反対していました。そんな義父に対し、「夫(息子)が出ていき、他人になる嫁(B様)が家に住む。でも保証人はお義父さんのままでいてください」などと言えば、激怒されるのは目に見えています。
かといって、義父の了承を得ずに勝手に名義変更を進めることはできません。B様は八方塞がりになっていました。
解決の鍵は「義父を借金から解放すること」
私たち専門家がB様に提案した戦略はシンプルです。 それは、「B様が単独でローンを借り換え、義父の連帯保証人を『解除』してあげること」でした。
実は、連帯保証人になっている親御さん自身も、口には出さずとも「息子のローンを背負っていること」に将来の不安を感じているケースが多いのです。
「私が家をもらう代わりに、お義父さんの連帯保証も完全に外します。これからは私が一人で責任を負いますので、お義父さんには一切迷惑をかけません」
この提案ができれば、義父にとっても「老後のリスクが消える」という大きなメリットが生まれます。これが、感情論をひっくり返す唯一の武器になります。
【解決策】パート勤務でも単独名義へ借り換えられた理由
しかし、ここで新たな問題がありました。B様はパート勤務であり、通常であれば2,500万円のローンを単独で借り換える審査には通りません。 「借り換え」ができなければ、義父を保証人から外すこともできません。
そこで私たちは、以下の3段構えで審査対策を行いました。
1. 「養育費」を収入とみなす金融機関の選定
B様の年収だけでは足りない分を補うため、離婚公正証書を作成し、夫から支払われる養育費を確実に受け取れる状態にしました。一部の金融機関では、この養育費を「安定収入」の一部として審査に加味してくれる場合があります。
2. 「正社員登用見込み」の証明
現在はパート勤務ですが、勤務先にお願いして「来年度から正社員として登用予定である」旨の証明書(雇用契約の予定など)を出してもらい、将来の返済能力をアピールしました。
3. 金融機関への交渉
画一的な審査を行うネット銀行ではなく、個別の事情を汲んでくれる金融機関に相談。「義父の保証解除がかかっている離婚案件である」という背景を説明し、柔軟な審査をお願いしました。
結果:義父も納得の円満解決へ
これらの対策が功を奏し、無事にB様単独名義での融資承認(借り換えOK)が出ました。
この「承認通知」を持って、B様と夫、そして義父を含めた話し合いの場を持ちました。 予想通り、最初は渋い顔をしていた義父ですが、私たちが用意した資料を見せ、以下の点を説明した瞬間、表情が変わりました。
「この手続きをすれば、お義父さんの2,500万円の保証債務は今日でゼロになります」
「万が一B様が返済できなくなっても、お義父さんに連絡がいくことは二度とありません」
結果、義父からは「そこまで覚悟が決まっているなら、わかった。息子の保証人が外れるのは正直助かる」と了承をいただくことができました。
名義: 夫単独 → B様単独へ変更
ローン: 夫+義父(保証人) → B様単独へ借り換え
義父: 連帯保証人を完全解除
まとめ:親族絡みの問題こそ、プロの「交渉材料」が必要
義理の親が絡む住宅ローン問題は、「感情」だけでぶつかると必ず拗れます。 しかし、「連帯保証人の解除」という「実利(メリット)」を用意することで、相手の態度を軟化させ、円満に解決できる可能性が高まります。
義父が連帯保証人になっていて、離婚を言い出せない
親族と揉めずに、きれいに家の名義を整理したい
自分の年収で、連帯保証人を外せるか知りたい
このような複雑な状況にお悩みの方は、ぜひ「離婚時の家の名義変更サポートセンター」にご相談ください。 私たちは金融機関との交渉だけでなく、親族間での話し合いがスムーズに進むためのアドバイスや、条件の整え方までトータルでサポートいたします。
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※今回のB様のように、雇用形態に不安がある方でも審査に通った事例を詳しく解説しています。
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