もくじ
今回は、大阪府にお住まいのO様(30代・パート勤務)からいただいたご相談事例をご紹介します。
O様の夫は、建設関係の会社を経営する「自営業(会社経営者)」でした。 離婚協議は進み、「夫が出ていき、O様とお子様が今の家に住み続ける」こと、そして「住宅ローンの名義を夫からO様に変える(または夫単独債務からO様単独へ借り換える)」ことまでは合意できていました。
しかし、いざ銀行に相談に行くと、担当者から冷酷な言葉を突きつけられます。
「ご主人様の会社の決算書を直近3期分、ご用意ください。あと、納税証明書も必要です」
O様は呆然としました。夫は昔からお金にルーズで、会社の経営状態を一切教えてくれません。 恐る恐る夫に頼んでみましたが、「赤字だから見せたくない」「税理士に任せてあるから手元にない」「離婚するのに何で俺がそんな面倒なことをしなきゃならないんだ」と、書類の提出を頑なに拒否されてしまったのです。
「書類がないと審査できません」 銀行には門前払いをされ、O様は「このままでは家を追い出される」と、泣きながら当窓口へ相談に来られました。
結論から申し上げますと、O様は無事、夫の決算書なしで(正確には、夫の協力への依存度を極限まで下げて)、ご自身単独名義への借り換えに成功されました。
なぜ、そんなことが可能だったのか? 今回は、自営業の夫を持つ妻が直面する「書類の壁」と、その突破口について専門家が解説します。
まず理解していただきたいのは、銀行にとって自営業者は、会社員とは全く別の生き物に見えているということです。
会社員であれば「源泉徴収票」1枚で年収証明が終わります。しかし、自営業者の場合、個人の収入だけでなく「会社の経営状態」までセットで審査されます。 たとえ夫が「俺は年収1000万だ」と豪語していても、会社が赤字であれば、銀行審査では「支払い能力なし」と判断されるリスクが高いのです。
多くの自営業者は、税金を安くするために経費を積み上げ、所得を低く申告(節税)しています。 普段の生活では賢いやり方かもしれませんが、住宅ローン審査においては「所得が低い=返済能力がない」という致命的なマイナス評価になります。
これが最大の難関です。多くの銀行は、一時的な利益ではなく「安定性」を見るため、3年分の実績(決算書)を求めます。 しかし、離婚間際の夫婦関係において、夫に「3年分の書類を全部揃えてコピーしてくれ」と頼んで、素直に応じてもらえるケースは稀です。
O様のように夫が協力を拒む場合、その裏には「面倒くさい」以上の理由が隠れていることが多々あります。
「妻には景気がいいと言っていたが、実は借金だらけ」「赤字決算を見られるのが恥ずかしい」。プライドの高い自営業夫によくあるパターンです。
住宅ローンの審査には「納税証明書」が必須です。しかし、所得税や法人税を滞納していると、この証明書が発行できません(または未納が記載されます)。 滞納がある時点で、銀行審査は100%通りません。夫はそれを知っていて、隠そうとしている可能性があります。
「家はお前が取るんだろ? だったら自分でやれ」という心理です。自分にメリットがない作業には一切協力しない、離婚時特有の感情的な対立です。
では、夫が書類を出さない場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか? いいえ、方法はあります。私たちがO様に提案し、実行した戦略をご紹介します。
銀行が夫の決算書を見たがるのは、「夫の信用力」で借りようとしているから、あるいは「夫が連帯保証人として残るから」です。
もし、あなた(妻)自身にパート収入や正社員としての収入がある場合、あるいはご両親の協力が得られる場合は、「夫を完全に排除した審査」に持ち込むことが可能です。 妻単独(または妻と妻の親)でローン審査を通せれば、夫の決算書は原則不要、または最低限の提出で済む銀行商品が存在します。
民間銀行は自営業に厳しいですが、住宅金融支援機構の「フラット35」などは、比較的柔軟な審査基準を持っています。 個人の確定申告書などは必要になりますが、直近の年収や返済負担率さえ基準を満たしていれば、「会社の決算書の中身まで根掘り葉掘り追求されない」**ケースもあります。 ※状況によりますので、事前の専門家診断が必要です。
これは交渉術です。夫にただ「書類出して」と言うのではなく、こう伝えます。 「あなたが書類を出してくれれば、私は自分の名義でローンを組み直せる。そうすれば、あなたは住宅ローンの連帯保証人から外れられるし、今後この家の負債を背負わなくて済む」
自営業者にとって、事業融資を受ける際に「住宅ローンの連帯保証人になっている」ことはマイナス評価になります。 「書類を出せば、あなたの事業融資の枠が広がるかもしれない」と伝えることで、夫の態度は一変します。
「書類が揃わないから、とりあえず今のままでいいや」 そう思って放置することだけは、絶対に避けてください。自営業者の場合、会社員以上に「家を失うリスク」が高いからです。
もし、夫の事業が傾き、税金の滞納や取引先への不払いが起きればどうなるでしょうか? 自営業者は、自宅を担保に事業資金を借りているケースも少なくありません。
夫の事業が破綻した瞬間、あなたと子供が住んでいる家は「差押え」の対象になります。 「私は関係ない」と言っても、名義が夫である以上、対抗できません。ある日突然、裁判所から通知が届く。それが自営業の妻が抱えるリスクなのです。
▼こちらの記事も合わせてお読みください 自営業以外のケースも含めた、名義変更のトラブル解決事例です。
O様の場合、最終的には「戦略1」と「戦略3」を組み合わせました。 夫に「連帯保証から外れるメリット」を説いて最低限の書類を出させつつ、O様の収入状況に合わせた金融機関を選定し、無事に借り換え審査を通過させました。
「自営業だから無理」 「夫が協力しないから無理」 「パートだから無理」
銀行窓口でそう言われても、諦めないでください。それは「その銀行の基準では無理」だっただけかもしれません。 名義変更や借り換えには、表には出ていない「審査を通すためのロジック」が無数に存在します。
決算書が見当たらない、夫と話したくない。そんな状況でも、まずは私たちにご相談ください。 今の家のまま、安心して暮らせる方法を一緒に探しましょう。
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