もくじ
「離婚するので、夫名義の住宅ローンを、私の名義に変えて住み続けたいんです」
銀行の窓口でそう相談して、「できません」と断られた経験はありませんか? 私のところに来られる相談者様の9割が、この銀行の塩対応に心を折られてやって来ます。
あなたがやりたいことは、法律用語で「免責的債務引受(めんせきてき・さいむひきうけ)」と言います。 夫(今の債務者)をローンの義務から解放(免責)し、妻(あなた)がその借金をそのまま引き受ける手続きです。
非常にシンプルな要望に見えますが、実はこれ、日本の銀行実務においては「最もハードルの高い手続き」の一つなのです。
なぜ銀行は嫌がるのか?そして、断られた後にどうやって希望を叶えるのか? 今回は、銀行の裏事情と、それを突破するプロの戦略について解説します。
銀行が「免責的債務引受」を断るには、明確な理由があります。
銀行からすれば、現在のローン契約は「夫(または夫婦)」の信用力で貸しているものです。 それを妻一人の名義に変えるということは、「審査をやり直す」という膨大な手間がかかる上に、銀行が得られる金利などの利益は変わりません。 「手間がかかるのに儲からない、しかもリスクが上がるかもしれない案件」は、やりたくないのが本音です。
夫の年収が500万円、妻の年収が300万円だったとします。 銀行は「500万円の夫だから貸した」のであって、それを「300万円の妻」に切り替えることは、「担保価値(返済能力)の低下」を意味します。 だから銀行は、「今の契約を変えるのは無理です。やるなら、今のローンを一括返済して、別の銀行で借り直してください」と言うのです。
では、銀行に断られたら諦めるしかないのでしょうか? いいえ、方法はあります。私たちが普段使っている「突破口」は主に2つです。
いきなり夫を外す(免責)のが無理なら、段階を踏みます。 まず、あなたの信用力を証明し、今のローンにあなたを「連帯債務者」として追加します(重畳的債務引受)。 一定期間の実績を作った後、あるいは離婚成立のタイミングで、改めて夫を外す交渉を行います。 ※ただし、これは非常に高度な交渉が必要で、応じてくれる銀行は限られます。
これが最も確実で、成功率が高い方法です。 今の銀行での名義変更(契約内容の変更)にこだわる必要はありません。 「あなたの名義で、別の銀行から新しく住宅ローンを借り(借り換え)、そのお金で夫のローンを完済する」のです。
結果として起きることは同じです。
「借り換え」であれば、新しい銀行は「新規の顧客」としてあなたを歓迎してくれます。 審査基準さえクリアできれば、今の銀行に頭を下げる必要なく、堂々と「夫の排除」と「名義取得」が完了します。
【状況】
【銀行の対応】 今の銀行に「私が引き継ぎたい」と相談したが、「年収不足のため名義変更は不可」と即答。
【私たちの戦略】 K様の年収単独では、確かに大手銀行の審査は通りません。 しかし、K様には「同居するお母様(年金受給者)」がいらっしゃいました。 私たちは「親子リレーローン(収入合算)」が使える地方銀行を選定し、K様とお母様の年収を合わせて「借り換え」を申し込みました。
【結果】 見事に審査通過。 今の銀行のローンは全額返済され、夫は債務から解放。家はK様とお母様の名義となり、金利も以前より安くなりました。 形式は「借り換え」ですが、K様にとっては「希望通り、夫の債務を引き受けて家を守った」ことになります。
「免責的債務引受」という難しい言葉にこだわる必要はありません。 あなたが欲しい結果は、「夫と縁を切り、自分名義の家に住み続けること」はずです。
銀行の窓口で「できません」と言われても、それは「その銀行のルールでは、今の契約のままではできない」と言っているだけです。 銀行を変えれば、やり方はいくらでもあります。
「私の年収で、どうやって引き受けられる?」 「借り換えと債務引受、どっちが得?」
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多くの銀行は、離婚に伴う単なる「名義変更」や「借り換え」を嫌がります。 スムーズに審査を通すコツは、「夫から妻へ、正式に家を売却する(元夫婦間売買)」という形をとることです。 これには不動産会社が作成する「重要事項説明書」「売買契約書」が必須です。銀行に行って断られる前に、まずは私たちにご相談ください。
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