「離婚して5年。元妻が住む家の連帯保証人から外れたいのですが、話を切り出すたびに『あなたが責任を放棄するなら、私はどうなるの!』と感情的になられ、話が進みません…」
今回は、このような八方塞がりの状況で当センターにご相談に来られた、神奈川県のK様(45歳・男性)の解決事例をご紹介します。
離婚をする際、家の名義を妻にし、夫が家を出ていくケースは少なくありません。 その際、住宅ローンの「連帯保証人」の設定を解除し忘れたり、銀行に断られてそのままにしていたりすると、離婚後も元配偶者の借金を背負い続けることになります。
「自分も再婚を考えているから、身辺をきれいにしたい」 そう思って解除を申し出ても、相手(元妻)からすれば「私のリスクが増えるだけ」の話であり、協力が得られないことがほとんどです。
今回は、K様がどのようにして頑なだった元妻の態度を軟化させ、無事に連帯保証人から外れることができたのか。 私たち専門家が間に入って行った「交渉の全貌」を公開します。
もくじ
K様は5年前に離婚し、現在は賃貸マンションで一人暮らしをされています。 元妻と子供は、結婚当時に購入したマンション(元妻名義・ローン残債2,000万円)にそのまま住み続けています。
K様は、元妻が組んだ住宅ローンの「連帯保証人」**になっていました。 毎月の返済は元妻が行っており、これまでは滞りもありませんでした。
しかし、K様自身に再婚の話が持ち上がり、新しい家庭のために家を買おうとしたところ、銀行から「連帯保証債務があるため、新たなローンは組めません」と言われてしまったのです。
「自分の人生を前に進めるために、保証人を外れたい」 そう決意し、元妻に連絡を取りましたが、反応は冷ややかなものでした。
K様が「保証人を外してほしい」と伝えると、元妻は強く反発しました。
「もし私が病気で働けなくなったらどうするの? あなたが保証人だから安心して住めているのに、それを辞めるなんて無責任よ」
元妻の立場からすれば、K様が保証人から外れるメリットは一つもありません。 むしろ、「万が一の時のセーフティネット」を失う恐怖しかありません。
当事者同士での話し合いは、常に「感情のぶつけ合い」になってしまい、解決の糸口が見えない状態でした。
相談を受けた私たちは、K様に対し「Kさんが直接説得するのはやめましょう。私たちが間に入ります」と提案しました。 そして、元妻の不安を解消するための「客観的なデータ(説得材料)」を用意しました。
まず、マンションの査定を行いました。 幸い、地価が上昇しており、査定額は2,500万円。ローン残債2,000万円を上回る「アンダーローン(資産価値がある)」状態でした。
私たちは元妻に対し、こう説明しました。 「もし返済が厳しくなっても、この家を売れば借金は消えますし、手元に500万円残ります。K様の保証がなくても、家そのものが十分な担保になっています」
これにより、「路頭に迷うかもしれない」という元妻の漠然とした恐怖を和らげました。
次に、元妻の収入状況を確認し、「元妻単独名義での借り換え」が可能かどうかの審査打診を行いました。 現在の金利の低い銀行へ借り換えることで、月々の返済額が数千円下がるという試算が出ました。
「K様の保証を外す代わりに、月々の支払いが安くなります」 この「実利(メリット)」を提示することで、元妻の態度は大きく軟化しました。
これが最も重要でした。 元夫であるK様が言うと「わがまま」に聞こえることも、私たち専門家が言うと「事務的な手続きの提案」として受け入れられます。
私たちはK様の「再婚のために必要だ」という事情はあえて伏せ、あくまで「将来の相続トラブルなどを防ぐための、一般的な資産整理の一環」として説明を行いました。
粘り強い交渉の結果、元妻は「支払いが安くなるなら」と借り換えに合意。 無事に元妻単独の住宅ローン審査も通り、K様の連帯保証契約は消滅しました。
「私が何を言っても『裏切り者』扱いされて喧嘩になるだけでしたが、プロに入ってもらった途端、スムーズに話が進んで驚きました。 妻も、感情的になっていただけで、本当は『安心』が欲しかったんだと気づきました。 自分で抱え込まず、もっと早く相談すればよかったです」
連帯保証人を外したいという要望は、相手方にとっては「リスクの押し付け」に見えるため、当事者間での合意は非常に困難です。
しかし、今回の事例のように「論理的なデータ」と「相手へのメリット」を用意し、「感情を含まない第三者」が説明すれば、解決できる可能性は飛躍的に高まります。
そうお考えの男性は、ぜひ一度私たちにご相談ください。 あなたと元奥様、双方にとって納得のいく「落としどころ」をご提案します。元配偶者との交渉、私たちが代行します。
「連帯保証人を外したい」その願いを叶えるためには、相手を納得させる「材料」が必要です。
私たちは不動産と金融のプロとして、あなたの代わりに交渉のテーブルを作ります。
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