「夫から家の名義を私に変えてもらうと、贈与税がかかるって本当？」 「名義変更の手続き費用はどれくらい見ておけばいい？」

離婚に伴う家の問題で、審査と同じくらい心配なのが「税金」の話です。 せっかくローン審査に通って家を守れても、後から高額な税金の請求書が届いたら生活が破綻してしまいます。

結論から言うと、離婚による財産分与では、原則として「贈与税」はかかりません。

しかし、「原則」には必ず「例外」があります。また、贈与税はかからなくても、登記手続きにかかる税金は必ず発生します。

この記事では、離婚時の家の名義変更にかかる税金の種類と、損をしないためのポイントを分かりやすく解説します。

目次

1. 基本ルール：離婚の財産分与に「贈与税」はかからない
2. 要注意！贈与税がかかってしまう「2つの例外」
3. 名義変更で必ずかかる税金・かからない税金
   • かかる：登録免許税（登記費用）
   • かからない（原則）：不動産取得税
4. 家を売る側（渡す側）にかかる「譲渡所得税」の罠
5. ペアローン解消時の税金はさらに複雑？
6. まとめ：税金の不安もセットで解決できる専門家へ

1. 基本ルール：離婚の財産分与に「贈与税」はかからない

通常、誰かから高額な財産（不動産など）をもらうと「贈与税」がかかります。 しかし、離婚時の財産分与は「もらう」のではなく、「夫婦で築いた財産を精算して、自分の分を取り戻す」行為と考えられています。

そのため、税法上、夫から妻へ家の名義を変えても、それは妻がもともと持っていた権利を受け取っただけなので、贈与税は課税されないのが原則です。

これは、現金でも不動産でも同じです。

2. 要注意！贈与税がかかってしまう「2つの例外」

ただし、以下のケースでは税務署から「これは財産分与の枠を超えている（＝贈与だ）」とみなされ、贈与税がかかる可能性があります。

• 例外①：分与された額が多すぎる場合 婚姻期間や夫婦の収入、資産状況に照らし合わせて、常識外れに高額な財産を受け取った場合、その「多すぎる部分」に課税されます。
• 例外②：脱税目的の偽装離婚とみなされた場合 「税金を逃れるために離婚し、財産を移した後に再婚する」といった悪質なケースでは課税されます。

一般的な離婚協議で、家の権利を半分（あるいは全部）受け取る程度であれば、まず心配する必要はないと言えます。

3. 名義変更で必ずかかる税金・かからない税金

贈与税以外にも、不動産の名義変更にはいくつかの税金が関わってきます。

かかる：登録免許税（登記費用）

法務局で名義変更（所有権移転登記）をする際にかかる税金です。 これは必ず発生します。

• 税率: 固定資産税評価額の 2.0%
  • 通常の売買や贈与と同じ税率です。
  • 例：評価額1,000万円の土地建物なら、約20万円の税金＋司法書士報酬がかかります。

かからない（原則）：不動産取得税

家を買った時に一度だけ払う地方税ですが、離婚の財産分与による取得であれば、原則として非課税です（地方税法上の取り扱い）。 ただし、「慰謝料代わり」に家をもらった場合など、名目によっては課税されるリスクもあるため、手続き時の申請書（申告書）の書き方には注意が必要です。

4. 家を売る側（渡す側）にかかる「譲渡所得税」の罠

ここが一番の盲点です。 実は、家を「もらう側（妻）」ではなく、「あげる側（夫）」に税金がかかることがあるのです。

これを「譲渡所得税」といいます。 「お金をもらっていないのに（タダで妻にあげたのに）、なぜ譲渡（売却）税がかかるの？」と思いますよね。

税法上、財産分与で家を渡すことは、「家を時価で売却して、そのお金を妻に渡した」のと同じとみなされます。 そのため、家を買った時よりも、今の価値（時価）が大幅に上がっている場合、その「値上がり益」に対して夫に税金がかかります。

※ただし、マイホームには「3,000万円特別控除」という特例があるため、実際に税金を払わなくて済むケースが大半ですが、確定申告は必要になります。

5. ペアローン解消時の税金はさらに複雑？

ペアローンを解消して単独名義にする場合、「財産分与」と「債務引受（ローンの肩代わり）」が同時に行われます。

「ローン（借金）を引き受ける代わりに、家の権利をもらう」という取引は、通常の財産分与よりも「売買」に近い性質を持つため、税務上の判断が複雑になります。

自己判断で進めると、思わぬ課税通知が来ることもありますので、必ず不動産に詳しい税理士や専門家のチェックを受けることをお勧めします。

6. まとめ：税金の不安もセットで解決できる専門家へ

離婚時の家の名義変更において、税金のポイントは以下の3点です。

1. 贈与税は、基本的にかからない。
2. 登録免許税（登記費用）は、数十万円単位で必ずかかる。
3. 譲渡所得税（値上がり益への課税）には要注意。

当センターでは、提携の税理士・司法書士とチームを組み、「ローン審査」だけでなく「登記手続き」「税務申告の有無」までワンストップでサポートしています。

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